updated 2004/7/3
雑誌への投稿から
高齢者に多い「買ったまま」
見過ごせぬウイルス対策の現状
(日経パソコン 2004年7月5日号 P.203)
私は、退職後、住居地域の住民団体や個人の方にパソコンを使うお手伝いをしています。これまで約10台のパソコンを見る機会があり、いずれも高齢者の方が所有されているパソコンでした。購入したときのままの設定で使用しているパソコンが多く、少し古いモデルの場合はウイルス対策ソフトがインストールされていなかったり、比較的新しいパソコンでもウイルス対策ソフトの有効期限が切れたままになったりしていることがありました。また、メールソフトがプレビューウインドウを表示する設定になっているなどウイルスに対して全くの無防備状態のパソコンが多いことに驚きました。 先日、その住民団体所有のパソコンにウイルスメールらしきものが入っているのをたまたま発見し、直ちに削除しました。その後、早速ウイルス対策ソフトを購入し、インストールしました。しかし、その団体には専門の担当者がいるわけではありません。定義ファイル更新を自動で行うように設定しましたが、それ以上の作業は期待できません。さらに毎年、ライセンスの更新費用が発生することは想定していませんので、1年後が心配です。 パソコンを個人で使用する高齢者の方は、ウイルス対策などについての知識を持ち合わせず、購入時の設定のままで、毎日メールやインターネットを楽しんでいる場合も多いようです。幸いにも身近ではウイルスにやられたという話は聞かず、大騒ぎになってはいませんが、ウイルス対策ソフトやデータ更新の必要性を説明しても、理解していただくのは大変難しいと感じています。 新規に購入したパソコンの説明書には、ウイルス対策についてどの程度の説明が書かれているのでしょうか。パソコンメーカはソフトをプリインストールしているだけで、その詳しい説明はソフトメーカ任せになっているのではないでしょうか。 これからパソコンを使用する熟年・高齢者はますます増加することでしょう。今のパソコンを使用するには、相当深い知識が必要です。特別の知識や面倒な作業の必要のない製品の登場が待たれます。 |