俺は「一見カッコ悪いキャラをカッコよく演じたい!」と考える人間なのだ、
と言う話をした。 「演じる」事と「勝つ」事は両立する、という話もした。 そして、俺の生涯でただ一人、それに成功した、と俺が思っているキャラが いる、という話も、した。 それは誰なのか。 というところで、「勇者王ガオガイガー」張りの卑怯な引きで、その2に 続いたのであった。(^^; (ここでガガガの話を出したことは、実のところ、後半の論旨の微妙な伏線に なっていたりする。(^^;) で、そのキャラとは‥‥。 SNKの時代劇対戦格闘ゲーム「真サムライスピリッツ」のキャラクター、 「ナインハルト・ズィーガー」。 そう、彼こそが、俺が唯一「演じ、勝利できた」キャラなのである。 ナインハルト・ズィーガー。 ドイツ諸国最強の騎士団「紅き獅子聖騎士団」を率いる男。 そして、その二つ名は「千の破壊者」。 ドイツ合理主義を体現したかのような、一切の無駄を省いた肉体(頭髪すら 剃り落としているのだ!)を誇示するかのごとく、何も着ず、むき出しに された上半身。 その右腕をまるごと覆うように装着されているのは、先端に巨大な手の付いた 黒い鉄甲。自由自在に物をつかみ、薬莢式の連射機構付きアームパンチを 内蔵し、そして手から身の丈ほどの火炎を吹き出す脅威の戦術兵器、その名も <ズァリガーニ>。 そんな、彼の姿。 巨大な右腕を持った、ザリガニと言うよりシオマネキのようなその姿は、 はっきり言って「異形」である。 その「異形」故に、そして、本質的に「剣劇」「チャンバラ」であるサムライ スピリッツにおいては異質な存在である故に、彼は一般のゲーマーからは 敬遠されていたようである。 だが、待って欲しい。 彼はかっこよく無いだろうか? そう、俺には、彼がとてもかっこよく感じたのだ。 考えてみて欲しい。 彼の騎士団がなぜ「ドイツ諸国最強」と呼ばれたか。 その要因は数々あるのだろうが、そのひとつが「彼自身の戦闘力の賜物」で あろうことは、容易に推察できるのである。 彼の引き締まった肉体にも現れている、ストイックに己を鍛え続ける高潔なる 精神。 巨万の敵を一人で威圧するに足る、威風堂々たるその体躯。 また、右腕の<ズァリガーニ>。 未だガトリング砲すら発明されていない時代に存在した、中央欧州唯一にして 最強のハイテク兵器。 彼の、そして恐らくは騎士団そのもののシンボルであったろう、その赤熱する 巨大な鋼鉄の右腕こそが、彼の「力」の象徴として、騎士団と領民には希望と 勇気を、敵対諸国には畏れと恐怖を、共に与えてきたのだ。 そして。 重要なことなのだが、ゲーム中、彼は決して相手を殺さないのだ。 このゲームでは、自分のキャラクターが勝つと、何がしかの台詞を言うデモが 流れるわけであるが、その台詞には、「相手を殺した時」と「そうでない時」 の2種類があって、彼の勝ちデモには「そうでない時」の台詞しか流れない のである。 そう、すなわち、「彼は人を殺さない」のだ。 侍の戦いとは命のやり取り。それこそがこのゲームをこのゲームたらしめて いる要因のひとつである。 しかし、そういった世界において、「不殺」を貫く‥‥その誇り高い精神は、 それもまた「騎士の魂」である。 人間の知性の結晶である、強力無比のハイテクツール。 己を鍛え続ける、誇り高き精神。 人の命の尊さを知る者。 どこかで‥‥そう、どこかで、これと似たような人々を見なかっただろうか。 ここに来られる皆さんなら、お分かりだろう。 そう、彼は、「GGGの勇者」なのだ。 俺の心の支えとなっているアニメ「勇者王ガオガイガー」の地球防衛組織・ GGG(地球/宇宙防衛勇者隊)のクルーと同じ、誇り高き勇者なのだ。 そう。実は、俺は出会っていたのである。 1994年、ガガガ放映の実に3年も前から、「勇者」と呼べる男に。 彼を「演じる」時。 俺は、決して「騎士」の名に恥じることはしないよう、心掛けてきた。 待つとか、ハメるとか、そう言ったことは、決してしないように。 そして、目指すのは、彼がそう言うキャラであるだろう、「力」と「知性」、 「勇気」を兼ね備えた闘い。 荒ぶる火神と化したかのごとく、右腕の炎を猛然と浴びせ続け、敵の戦闘力を 奪い尽くす、圧倒的な「力」。 反撃する敵には、そのパターンを読み切り、その大技の一瞬の隙を突き、 必殺投げでカウンターを狙う、「集中力」と「知性」。 そして、たとえ<ズァリガーニ>を手放そうとも、決して退かないこと。 再び必殺の戦闘ツールを拾うまでは、己自身の肉体を武器として闘い続ける こと。その「勇気」。 それこそが、俺の目指した、そして、恐らくナインハルト・ズィーガーが 目指した「闘い」なのである。 俺は、今でもそう信じている。 いかがであろうか。 これが、「キャラを演じ、そして勝つ」ことだ。 俺は、自らの理想を実践できるキャラと出会えた。 そのことを、俺は、神に感謝せずにはいられないのだ。 実は、もう一人、同じ時期に、別のゲームで、演じ切る「寸前」まで行った キャラクターがいる。 彼の話は、また次の機会にしようと思う。 今回はこれだけね。 |