とりあえず、かなりお疲れモードである。(^^; というのも、仕事が結構きつかったのもあるが、その筋からの依頼で、 ご覧の通り、「前日へ」と「翌日へ」のリンクを作ったわけである。 今までの分も全部書き換えるわけであり、結構大変であるが、後からやると もっと大変であるので、今のうちにやっちゃうのである。 というわけで、今日は、「肺吸収値の低下を示す疾患」である。 「吸収値の低下」って何じゃらほい、ってことになるんであるが、ここでは 「多発性嚢胞性病変」ってことにしておく。 でもって、この「多発性嚢胞性病変」ってのが、鑑別が鬼のように沢山あるわけ であり、ざっとあげてみただけでも、 (1)辺縁不明瞭な透亮像 ・初期の肺気腫 (2)壁が比較的薄く均一な嚢胞 ・ブラ・ブレブ ・肺気腫 ・リンパ管平滑筋腫症(LAM) ・Langerhans cell histiocytosis ・嚢胞性気管支拡張症 ・円筒状気管支拡張症 ・蜂窩肺 (3)嚢胞以外の変化が目立つ ・リンパ増殖性疾患(LIPなど) ・カリニ肺炎 ・塵肺 (4)壁が厚く不均一(多発性空洞性結節) ・肉芽腫 Langerhans cell histiocytosis 結核 真菌 サルコイドーシス 塵肺 リウマチ様関節炎、Wegener肉芽腫症 ・腫瘍性病変 転移性肺癌 悪性リンパ腫 細気管支肺胞上皮癌 ・その他 肺梗塞 膿瘍(菌血症性肺塞栓) 感染性嚢胞性気管支拡張症 (5)新生児疾患 ・間質性肺気腫 ・気管支肺異形成症 ・Wilson-Mikity症候群 ・先天性嚢胞性腺腫様奇形(CCAM) ・横隔膜ヘルニア といったように、とんでもない数の疾患が挙がってきてしまうのである。 これはまさに、我々受験者に対する挑戦と言っても過言ではないだろう。 だが、我々が受験者である以上、挑戦は受けねばならんわけである。 なもんで、とりあえず、ひとつひとつの疾患について、本から拾いつつ、説明 していくのである。 まず、初期のも含め、肺気腫。厳密に言うと「終末細気管支より末梢の 気腔の異常な拡張」のことである。「気腔壁の破壊を伴うことが必須」とする 流派と「伴っても伴わなくてもいい」とする流派があるらしい。ややこしい。 まぁ、末梢気腔の異常な拡張には変わりないわけであるが、「末梢気腔」と いっても色々あるわけで、小葉の中心にある呼吸気管支が拡張する「小葉中心性 肺気腫」と肺胞道や肺胞嚢の拡張である「汎小葉性肺気腫」に分かれるわけで ある。どういう病変かは名前を見て考えれ(この講座を読んでいると、この手の 名前を見ただけで局在や範囲を想像できるようにはなるはずである)。 次にブラとブレブ。 実は結構真剣に考えたことのないブラやブレブであるが、ブラは「気腫状に拡張 した気腔で直径1cm以上のもの」、ブレブは「臓側胸膜下結合織内の空気貯留」 のことなのだそうである。 もっとも、画像上ブラといわれているもののほとんどは高度の汎小葉性肺気腫で あり、また同様に、ブレブといわれているものの中には、胸膜下の肺気腫や ブラが含まれているらしいのである。 なんや知らんがかなりに疲れているので(前回と次回へのリンクを作ったから ではないとは思うが(^^;)、本当に少なくて申し訳ないんだが今日はここまで。 明日は上の表を全部説明してしまう予定。その後、肺癌の話をして肺は終わりに したい。 で、来週いっぱいで縦隔を軽くなめて‥‥いよいよ未知の新ジャンルに挑む予定で ある。乞ご期待。 |