トップページにバグがあったり、11日分をアップ忘れたりして、ここんとこの 勉強分が全然見られなかったりした罠。 っていうか、修正しました。すまん。 つーわけで、脳腫瘍、まずは大人の脳腫瘍のある意味で「代表」である神経膠腫系 の腫瘍から行ってみようか。 「神経膠腫系系」と言っても広く、高分化な方から、星細胞腫(astrocytoma)→ anapastic astrocytoma→膠芽腫(glioblastoma)という順に低分化に(つまり 「悪く」)なっていくわけである。 では、まず良い方のastrocytomaから。 好発年齢は30〜50歳、前頭葉33%、側頭葉17%、頭頂葉13%。後頭蓋窩・脳幹が 23%。あと14%はどこなのだ?(汗) そうそう、これは大人の場合。子供は小脳に多いので覚えておこう。 症状は痙攀が初発のことが多く、片麻痺などが徐々に進行する。これは 腫瘍が徐々に大きくなるからである。 CTはほとんどが低吸収、濃度も均一、辺縁も比較的明瞭。浮腫は少ないことが 多い。造影剤による吸収値上昇効果はないか、あっても軽度。 MRIだとT1強調像で低信号、T2強調像で高信号。辺縁明瞭でmass effectは少ない。 浮腫や内部の出血は少なく、造影剤の信号上昇効果が認められるのは40%、と。 じゃあ、次はanaplastic astrocytoma‥‥と行きたいところだが、これはさっきの astrocytomaと、次のglioblastomaの中間の所見を取るもんで、とっとと次の glioblastomaに行くのである。 膠芽腫 glioblastoma。悪性度が高く、予後の悪い脳腫瘍のチャンピオン みたいなもんで、1年生存率で既に40〜60%、5年生存率だと15%とかいう、 実に恐るべきシロモノである。 このglioblastoma、別名をglioblastoma multiformeといい、かなり多彩な細胞から 構成されているのが特徴。 そして、それを反映して、CTでは不均一な低吸収域と等吸収域が混在し、 等吸収域の部分が主に造影剤で吸収値上昇効果を受ける。またring enhancementや 腫瘍内出血を伴うものが多い。浮腫の程度は様々。また、時に辺縁明瞭な高吸収と なるもの、さらには腫瘤状に見えないものがあって騙される。(^^; MRIではT1・T2とも境界不明瞭で内部付近位置な腫瘤、壊死や嚢胞変性を伴い、 flow voidや様々な時期の出血を伴い、Gdで不均一な強い信号上昇を示す。 周囲には浮腫によるT2高信号。 で、まあ、anaplastic astrocytomaはこの中間やね。(^^; あと2つ、この系統で言っておかなければならない腫瘍がある。 まず1つ。毛様細胞性星細胞腫 pilocytic astrocytoma。 これは、組織的には「すっげー悪性度の低い星細胞腫」で、子供の小脳や第三脳室 周囲、視神経に多いらしい。大人では大脳半球にも多い。 周囲に浮腫が無くて境界明瞭。MRIではT1 iso or low、T2 high signal。Gdで強く 均一な信号上昇効果を示す。 もひとつ。乏突起膠腫 oligodendroglioma。30〜50歳に好発、男性やや 多し。大部分が大脳半球で特に前頭葉が多い。 そして、最大の特徴が石灰化。CTでは半数以上に石灰化を呈する。 ただし、その他の部分ははなはだ多様性に富み、CTでは不均一な吸収値を呈し、 造影剤による吸収値上昇効果も症例により様々。 MRIではさらにややこしい。全体ではT1 Low・T2 Highのパターンだが、石灰化 部位はその度合いによって様々な信号を示す。造影剤による信号増強効果は 不均一で中程度。 つーわけで、今日はここまでであった。 明日は髄膜腫に行きたい雰囲気。 |