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 『夢浮橋(大島本)

 童心を思ひ出づるにも、夢のやうなり。まづ、母のありさま、いと問はまほしく、「異人びとの上は、おのづからやうやうと聞けど、親のおはすらむやうは、ほのかにもえ聞かずかし」と、なかなかこれを見るに、いと悲しくて、ほろほろと泣かれぬ。
 いとをかしげにて、すこしうちおぼえたまへる心地もすれば、
 「御兄弟にこそおはすめれ。聞こえまほしく思すこともあらむ。内に入れたてまつらむ」

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  第二章 浮舟の物語 浮舟、小君との面会を拒み、返事も書かない  [第三段 浮舟、小君との面会を拒む]

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