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 『明石(大島本)

 と泣く泣く、めできこゆ。
 わが御心にも、折々の御遊び、その人かの人の琴笛、もしは声の出でしさまに、時々につけて、世にめでられたまひしありさま、帝よりはじめたてまつりて、もてかしづきあがめたてまつりたまひしを、人の上もわが御身のありさまも、思し出でられて、の心地したまふままに、かき鳴らしたまへる声も、心すごく聞こゆ。

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  第二章 明石の君の物語 明石での新生活の物語  [第五段 源氏、入道と琴を合奏]

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