検索結果詳細
『横笛(大島本)』
君たちの、いはけなく寝おびれたるけはひなど、ここかしこにうちして、女房もさし混みて臥したる、人気にぎははしきに、ありつる所のありさま、思ひ合はするに、多く変はりたり。この笛をうち吹きたまひつつ、
「いかに、名残も、眺めたまふらむ。御琴どもは、調べ変はらず遊びたまふらむかし。御息所も、和琴の上手ぞかし」
など、思ひやりて臥したまへり。
106/181
107/181
108/181
第二章 夕霧の物語 柏木遺愛の笛
[第五段 帰宅して、故人を想う]
[Index]