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『
明石(大島本)
』
「旅衣うら悲しさに明かしかね
草の枕は
夢
も結ばず」
と、うち乱れたまへる御さまは、いとぞ愛敬づき、言ふよしなき御けはひなる。数知らぬことども聞こえ尽くしたれど、うるさしや。ひがことどもに書きなしたれば、いとど、をこにかたくなしき入道の心ばへも、あらはれぬべかめり。
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第二章 明石の君の物語 明石での新生活の物語 [第六段 入道の問わず語り]
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