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 『横笛(大島本)

 など、思し続けて、愛宕に誦経せさせたまふ。また、かの心寄せの寺にもせさせたまひて、
 「この笛をば、わざと人のさるゆゑ深きものにて、引き出でたまへりしを、たちまちに仏の道におもむけむも、尊きこととはいひながら、あへなかるべし」
 と思ひて、六条の院に参りたまひぬ。

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  第三章 夕霧の物語 匂宮と薫  [第一段 夕霧、六条院を訪問]

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