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 『胡蝶(大島本)

 「橘の薫りし袖によそふれば
  変はれる身とも思ほえぬかな
 世とともの心にかけて忘れがたきに、慰むことなくて過ぎつる年ごろを、かくて見たてまつるは、夢にやとのみ思ひなすを、なほえこそ忍ぶまじけれ。思し疎むななよ」

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  第三章 玉鬘の物語 夏の雨と養父の恋慕の物語  [第三段 源氏、玉鬘を訪問し恋情を訴える]

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