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 『蛍(大島本)

 げに、さいへど、その人のけはひよと見えたるは、かひあり、おもだたしかし。言葉の限りまばゆくほめおきたるに、し出でたるわざ、言ひ出でたることのなかに、げにと見え聞こゆることなき、いと見劣りするわざなり。
 すべて、善からぬ人に、いかで人ほめさせじ」
 など、ただ「この姫君の、点つかれたまふまじく」と、よろづに思しのたまふ。

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  第三章 光る源氏の物語 光る源氏の物語論  [第三段 源氏、紫の上に物語について述べる]

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