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 『蓬生(大島本)

 立ちとどまりたまはむも、所のさまよりはじめ、まばゆき御ありさまなれば、つきづきしうのたまひすぐして、出でたまひなむとす。引き植ゑしならねど、松の木高くなりにける年月のほどもあはれに、夢のやうなる御身のありさまも思し続けらる。
 「藤波のうち過ぎがたく見えつるは
  松こそ宿のしるしなりけれ

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  第三章 末摘花の物語 久しぶりの再会の物語  [第四段 末摘花と再会]

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