検索結果詳細


 『蜻蛉(大島本)

 「かくのたまはせて、御使になむ参り来つる」
 と言へば、
 「今さらに、人もあやしと言ひ思はむも慎ましく、参りても、はかばかしく聞こし召し明らむばかり、もの聞こえさすべき心地もしはべらず。この御忌果てて、あからさまにもなむ、と人に言ひなさむも、すこし似つかはしかりぬべきほどになしてこそ、心より外の命はべらば、いささか思ひ静まらむ折になむ、仰せ言なくとも参りて、げにいと夢のやうなりしことどもも、語りきこえまほしき」

 155/462 156/462 157/462

  第三章 匂宮の物語 匂宮、侍従を迎えて語り合う  [第二段 匂宮、右近を迎えに時方派遣]

  [Index]