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『
薄雲(大島本)
』
かたがた思し悩みて、日たくるまで出でさせたまはねば、「かくなむ」と聞きたまひて、大臣も驚きて参りたまへるを、御覧ずるにつけても、いとど忍びがたく思し召されて、御涙のこぼれさせたまひぬるを、
「おほかた故宮の御事を、干る世なく思し召したるころなればなめり」
と見たてまつりたまふ。
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第四章 冷泉帝の物語 出生の秘密と譲位ほのめかし [第二段 冷泉帝、出生の秘密を知る]
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