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 『葵(大島本)

 と、恨みきこえたまへれば、
 「げに、ただひとへに艶にのみあるべき御仲にもあらぬを、いたう衰へたまへりと言ひながら、物越にてなどあべきかは」
 とて、臥したまへる所に、御座近う参りたれば、入りてものなど聞こえたまふ。

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  第二章 葵の上の物語 六条御息所がもののけとなってとり憑く物語  [第五段 葵の上、男子を出産]

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