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 『玉鬘(大島本)

 と見なして、いみじく夢のやうなり。主とおぼしき人は、いとゆかしけれど、見ゆべくも構へず。思ひわびて、
 「この女に問はむ。兵藤太といひし人も、これにこそあらめ。姫君のおはするにや」
 と思ひ寄るに、いと心もとなくて、この中隔てなる三条を呼ばすれど、食ひ物に心入れて、とみにも来ぬ、いと憎しとおぼゆるも、うちつけなりや。

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  第三章 玉鬘の物語 玉鬘、右近と椿市で邂逅  [第三段 右近も初瀬へ参詣]

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