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 『橋姫(明融臨模本)

 とて、立ちたまふに、かのおはします寺の鐘の声、かすかに聞こえて、霧いと深くたちわたれり。
 [第七段 薫、大君と和歌を詠み交して帰京]
 峰の八重雲、思ひやる隔て多く、あはれなるに、なほ、この姫君たちの御心のうちども心苦しう、「何ごとを思し残すらむ。かく、いと奥まりたまへるも、ことわりぞかし」などおぼゆ。

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  第三章 薫の物語 八の宮の娘たちを垣間見る  [第七段 薫、大君と和歌を詠み交して帰京]

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