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 『竹河(大島本)

 「聞こしめさせたらば、いとどいかにけしからぬ御心なりけりと、疎みきこえたまはむ。心苦しと思ひきこえつる心も失せぬ。いとうしろめたき御心なりけり」
 と、向ひ火つくれば、
 「いでや、さはれや。今は限りの身なれば、もの恐ろしくもあらずなりにたり。さても負けたまひしこそ、いといとほしかりしか。おいらかに召し入れてやは。目くはせたてまつらましかば、こよなからましものを」など言ひて、

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  第三章 玉鬘の大君の物語 冷泉院に参院  [第二段 蔵人少将、藤侍従を訪問]

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