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『手習(大島本)』
と言ひ置きて、登りたまひぬ。
[第五段 浮舟、素性を隠す]
「夢のやうなる人を見たてまつるかな」と尼君は喜びて、せめて起こし据ゑつつ、御髪手づから削りたまふ。さばかりあさましう、ひき結ひてうちやりたりつれど、いたうも乱れず、解き果てたれば、つやつやとけうらなり。一年足らぬ九十九髪多かる所にて、目もあやに、いみじき天人の天降れるを見たらむやうに思ふも、危ふき心地すれど、
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第二章 浮舟の物語 浮舟の小野山荘での生活
[第五段 浮舟、素性を隠す]
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