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『須磨(大島本)』
やうやう事静まりゆくに、長雨のころになりて、京のことも思しやらるるに、恋しき人多く、女君の思したりしさま、春宮の御事、若君の何心もなく紛れたまひしなどをはじめ、ここかしこ思ひやりきこえたまふ。
京へ人出だし立てたまふ。二条院へたてまつりたまふと、入道の宮のとは、書きもやりたまはず、昏されたまへり。宮には、
「松島の海人の苫屋もいかならむ
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第二章 光る源氏の物語 夏の長雨と鬱屈の物語
[第二段 京の人々へ手紙]
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