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 『澪標(大島本)

 君は、夢にも知りたまはず、夜一夜、いろいろのことをせさせたまふ。まことに、神の喜びたまふべきことを、し尽くして、来し方の御願にもうち添へ、ありがたきまで、遊びののしり明かしたまふ。
 惟光やうの人は、心のうちに神の御徳をあはれにめでたしと思ふ。あからさまに立ち出でたまへるに、さぶらひて、聞こえ出でたり。
 「住吉の松こそものはかなしけれ

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  第四章 明石の物語 住吉浜の邂逅  [第三段 源氏、惟光と住吉の神徳を感ず]

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