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『蜻蛉(大島本)』
など、詳しう聞こゆれば、ましていといみじう、「さるべきにても、ともかくもあらましよりも、いかばかりものを思ひ立ちて、さる水に溺れけむ」と思しやるに、「これを見つけて堰きとめたらましかば」と、湧きかへる心地したまへど、かひなし。
「御文を焼き失ひたまひしなどに、などて目を立てはべらざりけむ」
など、夜一夜語らひたまふに、聞こえ明かす。かの巻数に書きつけたまへりし、母君の返り事などを聞こゆ。
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第三章 匂宮の物語 匂宮、侍従を迎えて語り合う
[第四段 侍従、京の匂宮邸へ]
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