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『
葵(大島本)
』
殿におはし着きて、つゆまどろまれたまはず。年ごろの御ありさまを思し出でつつ、
「などて、つひにはおのづから見直したまひてむと、のどかに思ひて、なほざりのすさびにつけても、つらしとおぼえられたてまつりけむ。世を経て、疎く恥づかしきものに思ひて過ぎ果てたまひぬる」
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第二章 葵の上の物語 六条御息所がもののけとなってとり憑く物語 [第七段 葵の上の葬送とその後]
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