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 『玉鬘(大島本)

 と言ふままに、二、三人ながらむせかへり、いとむつかしく、せきかねたり。
 [第五段 右近、初瀬観音に感謝]
 日暮れぬと、急ぎたちて、御燈明の事どもしたため果てて、急がせば、なかなかいと心あわたたしくて立ち別る。「もろともにや」と言へど、かたみに供の人のあやしと思ふべければ、この介にも、ことのさまだに言ひ知らせあへず。われも人もことに恥づかしくはあらで、皆下り立ちぬ。

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  第三章 玉鬘の物語 玉鬘、右近と椿市で邂逅  [第五段 右近、初瀬観音に感謝]

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