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 『葵(大島本)

 など、悔しきこと多く、思しつづけらるれど、かひなし。にばめる御衣たてまつれるも、夢の心地して、「われ先立たましかば、深くぞ染めたまはまし」と、思すさへ、
 「限りあれば薄墨衣浅けれど
  涙ぞ袖を淵となしける」

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  第二章 葵の上の物語 六条御息所がもののけとなってとり憑く物語  [第七段 葵の上の葬送とその後]

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