検索結果詳細


 『浮舟(明融臨模本)

 「そこに洗はせたまはば」
 とのたまふ。女、いとさまよう心にくき人を見ならひたるに、時の間も見ざらむに死ぬべしと思し焦がるる人を、「心ざし深しとは、かかるを言ふにやあらむ」と思ひ知らるるにも、「あやしかりける身かな。誰れも、ものの聞こえあらば、いかに思さむ」と、まづかの上の御心を思ひ出できこゆれど、

 189/657 190/657 191/657

  第二章 浮舟と匂宮の物語 匂宮、薫の声をまねて浮舟の寝所に忍び込む  [第七段 右近、浮舟の母の使者の迎えを断わる]

  [Index]