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 『明石(大島本)

 近き几帳の紐に、箏の琴の弾き鳴らされたるも、けはひしどけなく、うちとけながら掻きまさぐりけるほど見えてをかしければ、
 「この、聞きならしたる琴をさへや」
 など、よろづにのたまふ。

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  第三章 明石の君の物語 結婚の喜びと嘆きの物語  [第二段 明石の君を初めて訪ねる]

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