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『浮舟(明融臨模本)』
「昨夜より穢れさせたまひて、いと口惜しきことを思し嘆くめりしに、今宵、夢見騒がしく見えさせたまひつれば、今日ばかり慎ませたまへとてなむ、物忌にてはべる。返す返す、口惜しく、ものの妨げのやうに見たてまつりはべる」
と書きて、人びとに物など食はせてやりつ。尼君にも、
「今日は物忌にて、渡りたまはぬ」
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第二章 浮舟と匂宮の物語 匂宮、薫の声をまねて浮舟の寝所に忍び込む
[第七段 右近、浮舟の母の使者の迎えを断わる]
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