検索結果詳細


 『浮舟(明融臨模本)

 「昨夜より穢れさせたまひて、いと口惜しきことを思し嘆くめりしに、今宵、夢見騒がしく見えさせたまひつれば、今日ばかり慎ませたまへとてなむ、物忌にてはべる。返す返す、口惜しく、ものの妨げのやうに見たてまつりはべる」
 と書きて、人びとに物など食はせてやりつ。尼君にも、
 「今日は物忌にて、渡りたまはぬ」

 196/657 197/657 198/657

  第二章 浮舟と匂宮の物語 匂宮、薫の声をまねて浮舟の寝所に忍び込む  [第七段 右近、浮舟の母の使者の迎えを断わる]

  [Index]