検索結果詳細


 『明石(大島本)

 「明けぬ夜にやがて惑へる心には
  いづれをとわきて語らむ」
 ほのかなるけはひ、伊勢の御息所にいとようおぼえたり。何心もなくうちとけてゐたりけるを、かうものおぼえぬに、いとわりなくて、近かりける曹司の内に入りて、いかで固めけるにか、いと強きを、しひてもおし立ちたまはぬさまなり。されど、さのみもいかでかあらむ。

 197/331 198/331 199/331

  第三章 明石の君の物語 結婚の喜びと嘆きの物語  [第二段 明石の君を初めて訪ねる]

  [Index]