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『
蜻蛉(大島本)
』
「上の、今宵、にはかに亡せたまひにければ、ものもおぼえたまはず。頼もしき人もおはしまさぬ折なれば、さぶらひたまふ人びとは、ただものに当たりてなむ惑ひたまふ」
と言ふ。心も深く知らぬ男にて、詳しう問はで参りぬ。
「かくなむ」と申させたるに、夢とおぼえて、
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第一章 浮舟の物語 浮舟失踪後の人びとの動転 [第二段 匂宮から宇治へ使者派遣]
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