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 『須磨(大島本)

 大殿の若君の御事などあるにも、いと悲しけれど、「おのづから逢ひ見てむ。頼もしき人々ものしたまへば、うしろめたうはあらず」と、思しなさるるは、なかなか、子の道の惑はれぬにやあらむ。
 [第三段 伊勢の御息所へ手紙]
 まことや、騒がしかりしほどの紛れに漏らしてけり。かの伊勢の宮へも御使ありけり。かれよりも、ふりはへ尋ね参れり。浅からぬことども書きたまへり。言の葉、筆づかひなどは、人よりことになまめかしく、いたり深う見えたり。

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  第二章 光る源氏の物語 夏の長雨と鬱屈の物語  [第三段 伊勢の御息所へ手紙]

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