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『若紫(大島本)』
殿におはして、泣き寝に臥し暮らしたまひつ。御文なども、例の、御覧じ入れぬよしのみあれば、常のことながらも、つらういみじう思しほれて、内裏へも参らで、二、三日籠りおはすれば、また、「いかなるにか」と、御心動かせたまふべかめるも、恐ろしうのみおぼえたまふ。
[第二段 妊娠三月となる]
宮も、なほいと心憂き身なりけりと、思し嘆くに、悩ましさもまさりたまひて、とく参りたまふべき御使、しきれど、思しも立たず。
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第二章 藤壺の物語 夏の密通と妊娠の苦悩物語
[第二段 妊娠三月となる]
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