検索結果詳細
『浮舟(明融臨模本)』
「聖の名をさへつけきこえさせたまひてければ、いとよし。私の罪も、それにて滅ぼしたまふらむ。まことに、いとあやしき御心の、げに、いかでならはせたまひけむ。かねてかうおはしますべしと承らましにも、いとかたじけなければ、たばかりきこえさせてましものを。奥なき御ありきにこそは」
と、扱ひきこゆ。
参りて、「さなむ」とまねびきこゆれば、「げに、いかならむ」と、思しやるに、
226/657
227/657
228/657
第二章 浮舟と匂宮の物語 匂宮、薫の声をまねて浮舟の寝所に忍び込む
[第九段 翌朝、匂宮、京へ帰る]
[Index]