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『行幸(大島本)』
「いと、仕へたる御けはひ、公人にて、げにいかにあひたらむ。尚侍のことは、などか、おのれに疾くはものせざりし」
と、いとまめやかにてのたまへば、いとうれしと思ひて、
「さも、御けしき賜はらまほしうはべりしかど、この女御殿など、おのづから伝へ聞こえさせたまひてむと、頼みふくれてなむさぶらひつるを、なるべき人ものしたまふやうに聞きたまふれば、夢に富したる心地しはべりてなむ、胸に手を置きたるやうにはべる」
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第三章 玉鬘の物語 裳着の物語
[第七段 内大臣、近江の君を愚弄]
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