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 『末摘花(大島本)

 女の御装束、「今日は世づきたり」と見ゆるは、ありし筥の心葉を、さながらなりけり。さも思しよらず、興ある紋つきてしるき表着ばかりぞ、あやしと思しける。
 「今年だに、声すこし聞かせたまへかし。侍たるるものはさし置かれて、御けしきの改まらむなむゆかしき」とのたまへば、
 「さへづる春は」

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  第一章 末摘花の物語  [第十段 正月七日夜常陸宮邸に泊まる]

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