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 『末摘花(大島本)

 「さへづる春は」
 と、からうしてわななかし出でたり。
 「さりや。年経ぬるしるしよ」と、うち笑ひたまひて、「夢かとぞ見る」

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  第一章 末摘花の物語  [第十段 正月七日夜常陸宮邸に泊まる]

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