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 『帚木(明融臨模本)

 「けしうははべらざるべし。もて離れてうとうとしくはべれば、世のたとひにて、睦びはべらず」と申す。
 [第四段 それから数日後]
 さて、五六日ありて、この子率て参れり。こまやかにをかしとはなけれど、なまめきたるさまして、あて人と見えたり。召し入れて、いとなつかしく語らひたまふ。童心地に、いとめでたくうれしと思ふ。いもうとの君のことも詳しく問ひたまふ。さるべきことは答へ聞こえなどして、恥づかしげにしづまりたれば、うち出でにくし。されど、いとよく言ひ知らせたまふ。

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  第三章 空蝉の物語  [第四段 それから数日後]

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