検索結果詳細


 『帚木(明融臨模本)

 かかることこそはと、ほの心得るも、思ひの外なれど、幼な心地に深くしもたどらず。御文を持て来たれば、女、あさましきに涙も出で来ぬ。この子の思ふらむこともはしたなくて、さすがに、御文を面隠しに広げたり。いと多くて、
 「見しを逢ふ夜ありやと嘆くまに
  目さへあはでぞころも経にける

 256/302 257/302 258/302

  第三章 空蝉の物語  [第四段 それから数日後]

  [Index]