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 『総角(大島本)

 「世の常に思ひやすらむ露深き
  道の笹原分けて来つるも」
 書き馴れたまへる墨つきなどの、ことさらに艶なるも、おほかたにつけて見たまひしは、をかしくおぼえしを、うしろめたくもの思はしくて、我さかし人にて聞こえむも、いとつつましければ、まめやかに、あるべきやうを、いみじくせめて書かせたてまつりたまふ。

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  第三章 中の君の物語 中の君と匂宮との結婚  [第六段 匂宮、中の君へ後朝の文を書く]

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