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『柏木(尊経閣文庫本)』
「あはれなることは、その常なき世のさがにこそは。いみじとても、またたぐひなきことにやはと、年積もりぬる人は、しひて心強うさましはべるを、さらに思し入りたるさまの、いとゆゆしきまで、しばしも立ち後れたまふまじきやうに見えはべれば、すべていと心憂かりける身の、今までながらへはべりて、かくかたがたにはかなき世の末のありさまを見たまへ過ぐすべきにやと、いと静心なくなむ。
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第五章 夕霧の物語 柏木哀惜
[第二段 母御息所の嘆き]
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