検索結果詳細
『柏木(尊経閣文庫本)』
おのづから近き御仲らひにて、聞き及ばせたまふやうもはべりけむ。初めつ方より、をさをさうけひききこえざりし御ことを、大臣の御心むけも心苦しう、院にもよろしきやうに思し許いたる御けしきなどのはべしかば、さらばみづからの心おきての及ばぬなりけりと、思ひたまへなしてなむ、見たてまつりつるを、かく夢のやうなることを見たまふるに、思ひたまへ合はすれば、みづからの心のほどなむ、同じうは強うもあらがひきこえましを、と思ひはべるに、なほいと悔しう。それは、かやうにしも思ひ寄りはべらざりきかし。
278/355
279/355
280/355
第五章 夕霧の物語 柏木哀惜
[第二段 母御息所の嘆き]
[Index]