検索結果詳細
『紫式部日記(黒川本)』
と、せめたてさせたまひて、心にもあらず参う上りたり。舞姫どもの、いかに苦しからむと見ゆるに、尾張守のぞ、心地悪しがりて往ぬる、夢のやうに見ゆるものかな。こと果てて下りさせたまひぬ。
このごろの君達は、ただ五節所のをかしきことを語る。
「簾の端、帽額さへ心々にかはりて、出でゐたる頭つき、もてなすけはひなどさへ、さらにかよはず、さまざまになむある」
293/533
294/533
295/533
第一部 敦成親王誕生記
第二章 寛弘五年(一〇〇八)冬の記
【一六 二十一日寅の日、五節の舞姫、御前の試み】
[Index]