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『夕霧(大島本)』
と、人びといさめきこゆれど、しひておはしましぬ。
[第八段 夕霧の弔問]
ほどさへ遠くて、入りたまふほど、いと心すごし。ゆゆしげに引き隔てめぐらしたる儀式の方は隠して、この西面に入れたてまつる。大和守出で来て、泣く泣くかしこまりきこゆ。妻戸の簀子におし掛かりたまうて、女房呼び出でさせたまふに、ある限り、心も収まらず、物おぼえぬほどなり。
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第三章 一条御息所の物語 行き違いの不幸
[第八段 夕霧の弔問]
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