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『夢浮橋(大島本)』
と、問ひ申したまへば、
「なま王家流などいふべき筋にやありけむ。ここにも、もとよりわざと思ひしことにもはべらず。ものはかなくて見つけそめてははべりしかど、また、いとかくまで落ちあふるべき際と思ひたまへざりしを。珍かに、跡もなく消え失せにしかば、身を投げたるにやなど、さまざまに疑ひ多くて、確かなることは、え聞きはべらざりつるになむ。
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第一章 薫の物語 横川僧都、薫の依頼を受け浮舟への手紙を書く
[第三段 薫、僧都に浮舟との面会を依頼]
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