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『総角(大島本)』
とうしろめたくて、見出だして臥したまへり。「恥づかしげならむ人に見えむことは、いよいよかたはらいたく、今一二年あらば、衰へまさりなむ。はかなげなる身のありさまを」と、御手つきの細やかにか弱く、あはれなるをさし出でても、世の中を思ひ続けたまふ。
[第四段 匂宮と中の君、朝ぼらけの宇治川を見る]
宮は、ありがたかりつる御暇のほどを思しめぐらすに、「なほ、心やすかるまじきことにこそは」と、胸ふたがりておぼえたまひけり。大宮の聞こえたまひしさまなど語りきこえたまひて、
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第四章 中の君の物語 匂宮と中の君、朝ぼらけの宇治川を見る
[第四段 匂宮と中の君、朝ぼらけの宇治川を見る]
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