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 『総角(大島本)

 宮は、ありがたかりつる御暇のほどを思しめぐらすに、「なほ、心やすかるまじきことにこそは」と、胸ふたがりておぼえたまひけり。大宮の聞こえたまひしさまなど語りきこえたまひて、
 「思ひながらとだえあらむを、いかなるにか、と思すな。にてもおろかならむに、かくまでも参り来まじきを。心のほどやいかがと疑ひて、思ひ乱れたまはむが心苦しさに、身を捨ててなむ。常にかくはえ惑ひありかじ。さるべきさまにて、近く渡したてまつらむ」

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  第四章 中の君の物語 匂宮と中の君、朝ぼらけの宇治川を見る  [第四段 匂宮と中の君、朝ぼらけの宇治川を見る]

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