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 『朝顔(大島本)

 「今さらに、若々しき心地する御簾の前かな。神さびにける年月の労数へられはべるに、今は内外も許させたまひてむとぞ頼みはべりける」
 とて、飽かず思したり。
 「ありし世は皆夢に見なして、今なむ、覚めてはかなきにやと、思ひたまへ定めがたくはべるに、労などは、静かにやと定めきこえさすべうはべらむ」

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  第一章 朝顔姫君の物語 昔の恋の再燃  [第二段 朝顔姫君と対話]

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