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 『玉鬘(大島本)

 金の岬過ぎて、「われは忘れず」など、世とともの言種になりて、かしこに到り着きては、まいて遥かなるほどを思ひやりて、恋ひ泣きて、この君をかしづきものにて、明かし暮らす。
 などに、いとたまさかに見えたまふ時などもあり。同じさまなる女など、添ひたまうて見えたまへば、名残心地悪しく悩みなどしければ、
 「なほ、世に亡くなりたまひにけるなめり」

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  第一章 玉鬘の物語 筑紫流離の物語  [第二段 玉鬘一行、筑紫へ下向]

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