検索結果詳細
『紫式部日記(黒川本)』
御物忌みなれば、御社より丑の時にぞ帰りまゐれば、御神楽などもさまばかりなり。兼時が去年まではいとつきづきしげなりしを、こよなく衰へたる振る舞ひぞ、見知るまじき人の上なれど、あはれに思ひよそへらるること多くはべる。
【二一 十二月二十九日、参内、初出仕時に思いをはせる】
師走の二十九日に参る。初めて参りしも今宵のことぞかし。いみじくも夢路にまどはれしかなと思ひ出づれば、こよなくたち馴れにけるも、うとましの身のほどやとおぼゆ。
329/533
330/533
331/533
第一部 敦成親王誕生記
第二章 寛弘五年(一〇〇八)冬の記
【二一 十二月二十九日、参内、初出仕時に思いをはせる】
[Index]