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『
蜻蛉(大島本)
』
「ただ今、ものおぼえず。起き上がらむ心地もせでなむ。さるは、今宵ばかりこそ、かくも立ち寄りたまはめ、え聞こえぬこと」
と言はせたり。
「さりとて、かくおぼつかなくては、いかが帰り参りはべらむ。今一所だに」
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第一章 浮舟の物語 浮舟失踪後の人びとの動転 [第三段 時方、宇治に到着]
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